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イースIVコンプリート

イースシリーズの中でもちょっと変わった位置づけなイースIVですが、全プラットフォーム版を制覇(クリア)したったりました。

 

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当初、公式設定は存在していたらしいですがいろんなメーカーから独自解釈で作られ公式作品が一番最後にリリースされたという変わり種。しかも共通する設定はあるもののストーリーは全て違います。ハドソン制作のPCエンジン版、トンキンハウス制作のスーパーファミコン版、アークシステム開発タイトー販売のプレイステーション2版、そして本家ファルコム制作のセルセタの樹海と全部お話が違うんですよねー

 

そんなひと粒で4度も美味しいこの作品、公式ストーリーはどれなの?という疑問がついて回る作品でもありました。今となっては本家ファルコムが制作したセルセタの樹海が公式でしょってな話ですが、そのセルセタの樹海もリリースされたのは結構後になってからでそれまでは各派閥において血みどろの争いが…

 

しかしですね、皆さんイースの設定をお忘れではありませんか?

 

イース(シリーズ)はアドルの冒険日誌を元に後世の人が翻訳、小説化したものであるとの設定が一番最初の作品のマニュアルに記載されているんですよ!

 

以下抜粋

 

イースマニュアル小説(アドル・クリスティンの冒険)序文より⌘

 

君は、アドル=クリスティンという名前を知っているだろうか?
アドル=クリスティンーーー今をさかのぼること千と数百年の昔、エレシア大陸の西端、エウロペ地方の北東に位置する、名も知れぬ小さな山村に生まれ、16才の時より、63才にしてこの世を去るまで、エウロペを中心とした海外諸地域を旅してまわった勇猛果敢なる冒険家である。


〜中略〜


百余冊にも及ぶそれらは、現在彼の生家の地下倉庫に保存され、西世界を嵐のごとく駆けめぐった彼とは対照的に、静かに眠っている。私たちは、これらの本を読むことによって、彼がどのような冒険をくりひろげてきたのか知ることが出来るのである。
これから書かれる物語は、その記念すべき第一冊目「失われし古代王国」の出だし部分を翻訳、小説家したものである。

 

以上。

 

という事はストーリーの違う4作品すべて公式ストーリーでおっけーっす!

 

設定(冒険日誌)を元にゲーム化(翻訳、小説化)したものがそれぞれあるというだけでどれが公式でどれが非公式なんて関係なし!まるで未来を予見していたかのような超絶便利設定が最初から存在してたんです。こりゃビックリですな。

 

この設定、かなり無敵というかファルコム自らリメイクしたフェルガナの誓いもワンダラーズフロムイース(シリーズ3作目、イースIII)から結構改変されている部分がありますが、この設定を適用する限り旧作、リメイク作ともに並び立つ上に後付け設定バッチこーい状態です。もちろん各作品間で齟齬があってもこの設定さえあれば言い訳可能(笑)まぁイースシリーズはI・IIを除き各作品でストーリーが完結してるのでそれぞれの作品をプレイしている時は気にならなかったりしますが、シリーズファンとしては各作品をつなげてあれこれ考察したくなっちゃうんですよね。

 

そしてある意味この設定を一番体現してしまってるのがイースIVだったり。

 

冒険日誌(設定)をもとにそれぞれ違う人(メーカー)が翻訳、小説化(ゲーム化)した作品なんですから。そこはもうそれぞれの作者の違いを楽しんじゃいましょってなもんですよ。なんならこの設定上は本家ファルコムですら一作者でしかなく各作品の違いや共通項目からアドルの冒険日誌を考察(妄想)するための材料のひとつにできちゃいます。

 

本当よくよく考えると恐ろしい設定です。正直なんでもありっちゃーありなんですが、やり過ぎれば興醒めしてしまいますしサジ加減の難しいところもありそうですね。

 

とまぁーあらためてイースの初期設定に驚愕しつつ、その設定をまるで体現しているようなイースIV作品を堪能させていただきました。

 

初代イースのマニュアル小説を執筆したのは五十嵐哲也さんだそうですが、この設定を考えたのも五十嵐さんだったりするんかな?それとも別の方?なにはともあれこの設定考えた人スゲぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!

 

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